塾・ならいごと講師の裏話

一時期、個別指導塾の講師をしていました。塾の講師というと、仕事は生徒に勉強を教えるだけでよい好待遇な仕事というイメージを持たれがちですが、実態は全く違います。
まず、講義のコマの分の給料しか支払われません。
塾講師の仕事には講義だけでなく、生徒の講義中の様子を記入した書類を書いて保護者宛に送ったり、講習のカリキュラムを組んだりといった仕事があります。

私が働いていた塾にはパソコンが1台しかなかったうえ、自宅への仕事の持ち込みは不可だったため、毎回書類作成に待ち時間が発生しました。
その日の自分の講義が全て終わっているのに、パソコンが空くのを待つためだけに時間を無駄にしていて空しくなりました。
また、その分のお給料は発生しないので、サービス残業を何時間も行っていたことになります。
塾にもよると思いますがアルバイトとして働くなら、飲食店などのサービス業の方がお金は稼げるかもしれません。

次に、講師の数が足りないことが多いという点です。
私が働いていた塾はほとんどが大学生が講師を行っていました。
大学生なので入れ替わりが激しいですし、就職活動の時期になると一時的に休みを取る人がほとんどです。
そうなると、必然的に講師一人が受け持つ講義の数が多くなります。
私は英語と数学のみ教えていたのですが、「今日先生の数が足りないから、中学生の子に理科を教えて」と塾長に無茶を言われ、解答をこっそり見ながらぶっつけ本番で講義を行ったことがあります。
金儲け主義の塾長だと、生徒に講義を取らせるための営業ばかりに力を入れて、講師の負担を全く考えない場合が多いです。

専門外の授業を準備のないまま行ったことで、私はお金を払って塾に通っている生徒に対してとても失礼に思い、胸が痛くなりました。
全ての塾がそういった状況とは思えませんので、採用面接を受ける際に気になることはしっかりきいた方が良いです。

さらに、個別指導塾に通う生徒はおとなしく、コミュニケーションが苦手な傾向にあると思います。
講義を始めてから1ヶ月以上たっても何も言葉を発さない子を数多く見てきましたので、信頼関係を築くだけでも大変です。
特に、男性の講師は怖がられる傾向にありました。
生徒からなぜか嫌われてしまい、講義NGを出されて傷つく講師もたくさんいますので、ある程度メンタルが強くないと続けられません。

このように塾講師の裏の面ばかり主張してきましたが、目も合わせてくれなかった生徒がだんだん心を開いてくれるようになり、
成績が上がったり志望校に合格したりするのは塾講師でないと得られない嬉しい体験です。
給料は気にせず生徒と一緒に成長したいという方にはとても向いている職業だと思います。